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MINE (1990) 『マイン』 


2013.06.20
Thu
05:32

『Mine』/Robert McCammon (著)
マスマーケット: 496 p ; 出版社: Pocket Books ; ISBN: 0671739441 ; Reprint 版 (1991/05/01)

『マイン (上)』 文春文庫/ロバート・R・マキャモン (著), 二宮 磬
文庫: 408 p ; 出版社: 文芸春秋 ; ISBN: 4167309483 ; 上 巻 (1995/02)

『マイン (下)』 文春文庫/ロバート・R・マキャモン (著), 二宮 磬
文庫: 362 p ; 出版社: 文芸春秋 ; ISBN: 4167309491 ; 下 巻 (1995/02)


1990年度ブラム・ストーカー賞受賞作

第十長篇にして、マキャモンがホラー小説に「決別」したとされる区切りの一作。スーパーナチュラルな恐怖は排除され、サスペンス/犯罪小説の範疇に収まる作品となっている。

60年代の過激派活動の記憶をいまも抱えるメアリー。当時の妄執が臨界点を超え、狂気の域に達したとき、彼女はかつての恋人への「供物」として捧げるべく、幼い赤ん坊を誘拐、逃亡した。その子の母ローラは、幸福な生活をなげうって息子のために立ち上がり、かくてふたりの女の壮絶な戦いが開始される。

超自然的要素は皆無だが、物語自体は「恐怖」に照準が合わされている。動乱の60年代への郷愁をいくらか匂わせはするが、これまでにないほど叙情味や物語の「遊び」も排されており、徹底的な逃亡と追跡の物語、ひとりの子どもをめぐる激情の物語となっている。猛然と疾駆するヘヴィな力感は圧倒的で、ほかのマキャモン作品とは印象を異にする。マキャモン最大の異色作であるかもしれない。

(ロバート・R・マキャモン作品案内/文藝春秋・編集部)

●MY OWN REVIEW

<上巻>

吸血鬼より怖い・・・それは女。しかも狂った女って、それを聞いただけでも怖い。今回の作品は、幽霊とか吸血鬼とか、いわゆるそういう類のものは一切関係なく、ただ人間の、それも女性の狂気を描いたものだが、世の中で一番怖いのは人間かもしれないなあ、それも女だろうと。。。

女は本当に怖いけど、逆に強くもある。肉体的には男のほうが強いかもしれないが、精神的には、やはり子どもを産める女のほうが強いに違いない。「命をかけて守る」などという言葉は、むしろ女のほうがふさわしいし、実行できる可能性も高いだろうなと思う。

だから、男に守って欲しいなんていうのは幻想だ。いざとなれば、女のほうが絶対に強いに違いない。神戸の震災のときには、全然守ってくれもせず、ひとりで逃げ出した夫に愛想をつかして、離婚する人が大勢いたというのも頷ける。

でも、幻想だからこそ、強い男に憧れるというのもありだろう。本当に強い男がこの世にいるかどうか疑わしいが、「自分の命を捨ててでも守る」という言葉がもたらす夢にひたるだけでも良しとしよう。

ただし、それは幻想であって、現実に期待してはいけないことだ。現実には、自分が守る立場になるかもしれないと心しているべきだ。期待しなければ、失望もない。何事も。

<下巻>

マキャモンの『マイン』を読み終えたが、これこそまさに「死にものぐるい」という言葉がふさわしい話だろう。昨日も書いたけれど、ヴァンパイアとか異星人とか幽霊とかのホラーではなく、人間の女の怖さを描いた作品。

あえて言えば、スプラッターもの。これでもかとばかりに血が吹き出てくる。読みながら、痛たたっ!と顔をしかめながら読んでいた。それでもマキャモンの作品は、最後には読者を感動させてしまうのだからすごい。

私には子どもがいないから本気でわからないかもしれないが、子どものいる母親なら、主人公の一人ローラの気持ちは、痛いほどわかるだろう。銃で撃たれようが、犬に噛み付かれようが、骨折しようが、指をなくそうが、何としてでも子どもを守る母親のものすごさ!

子どもをさらったメアリーのほうもすごいが、こちらは気が狂っていると思えば、なるほどと納得できるけれど、正気でそれに立ち向かうローラはものすごい!女はマジで強い!そんな女を書いてしまうマキャモンは、一体どんな経験をしてきたのだろう?

マキャモンは脱ホラー宣言をして、その後断筆宣言をしたのだが、彼ならホラーでなくても十分にいい作品が書けるだろうと思う。また絶対に書いてほしい。すごく、いや、ものすごく心待ちにしているのだから。

ホラーは全くダメだった私が、ここまでホラー小説にのめりこむようになったのは、ひとえにマキャモンのせいだ。なぜなら、良くも悪くも、ホラーは人間の真の感情を描いていると気づかせてくれたからだ。そうした真の感情が、純文学のようにまどろっこしくなく、ストレートに描かれているのが気に入ったのだ。

白か黒か、○か×かという性格の私は、マキャモンの作品のように、悪はあくまでも悪であり、善はあくまでも善であるという描き方は大好きなのだ。そして必ず善が勝つのも、この世の中にあって、救われる思いがするのだ。実際の世の中では、善は必ずしも勝たないし、ホラー小説よりも恐ろしいことは多々ある。個人的には、必ず善が勝つマキャモンの小説は、むしろファンタジーであると言ってもいいかもしれないと思っている。
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