03/ 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 9. 10. 11. 12. 13. 14. 15. 16. 17. 18. 19. 20. 21. 22. 23. 24. 25. 26. 27. 28. 29. 30./05

スポンサーサイト 


--.--.--
--
--:--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

category: スポンサー広告

trackback -- |comment -- | 記事編集

go page top

THE WOLF'S HOUR (1989) 『狼の時』 


2013.06.20
Thu
05:31

『The Wolf's Hour』/Robert R. McCammon (著)
マスマーケット: 432 p ; 出版社: Pocket Books (Mm) ; ISBN: 0671731424 ; Reissue 版 (1990/08/15)

『狼の時 (上)』 角川ホラー文庫/ロバート・R・マキャモン (著), 嶋田 洋一
文庫: 367 p ; 出版社: 角川書店 ; ISBN: 4042661025 ; 上 巻 (1993/12)

『狼の時 (下)』 角川ホラー文庫/ロバート・R・マキャモン (著), 嶋田 洋一
文庫: 484 p ; 出版社: 角川書店 ; ISBN: 4042661033 ; 下 巻 (1993/12)


1989年ブラム・ストーカー賞候補作

ホラーの道具立てに、ジャンル外の大掛かりなエンタテインメント要素を組み合わせるのが、キング以降の「モダン・ホラー」の基本的手法だが、第九長篇である本書は、前作『スティンガー』以上にマキャモンの娯楽小説へのこだわりが前面に飛び出している。

舞台は第二次世界大戦中。ナチス・ドイツに対抗すべく秘密工作員として活躍するマイケル・ガラティンは人狼だった。その超人的な能力を活かし、ノルマンディ上陸作戦にかかわる決死の任務にマイケルは立ち向かってゆく。

古きよき《クリフハンガー》風の波乱万丈の活劇が目白押しの一大娯楽活劇。ロシアに生まれ、革命後の激動により氷雪の原野で生き延びることを強いられたマイケルは、そこで人狼と変容していったのだが、それを描く過去のパートが物語りの随所に挿入され、全体でもかなりの比重を占める。そこでは、文明を対比される自然への憧憬が色濃く打ち出されており、その叙情的な筆致も含めて、のちの『少年時代』以降、『魔女は夜ささやく』でも踏襲されている非文明世界へのノスタルジーの要素を見てとることができる。

本書の続編が発表される、という噂も根強く、じっさいに構想されてもいたようだが、近年、マキャモン自身が発表の可能性を否定している。

(ロバート・R・マキャモン作品案内/文藝春秋・編集部)

● MY OWN REVIEW

マキャモンの作品は、ほとんどがアメリカを舞台にしたものだが、これは珍しく、ロシアとヨーロッパが舞台となっている。時は第二次大戦中、ナチスドイツが力をふるっている頃。ロシアで生まれ、子どものときに人狼に咬まれたため、自身も人狼になってしまったガラティンは、イギリスに渡って英国軍に入り、スパイとなる。つまり、007と狼男を足したような話。

マキャモンの小説には、いつもはっきりとした善と悪が存在するが、ここでの悪は、とりあえずヒトラーなんだろう。しかしヒトラー自身は登場せず、ガラティンはナチスの極悪将校たちと戦う。

彼の他の小説では、主人公が個人的に善であると思ったことをやり遂げ、徹底的に悪を滅ぼし、最後にはヒーローとなるといった図式が多く、私もそういう話が好きなのだが、この作品では、主人公がスパイという性質上、命令によって動いているわけだから、主人公自身が善であるとは言い切れない。事実、狼になっているときのガラティンは、人を殺したくてたまらなくなるわけだし、一人一人の悪人を倒しても、ヒトラーという大きな悪を倒したわけではない。

というわけで、善悪ということは今回はちょっと脇に置いておくとして、狼男であるという苦悩もあるものの、ガラティンの超人的な活躍には胸が躍る。それにしても、年中敵と戦って大きな怪我をしているので、痛そうだなあと思わずにいられない。この場合ホラーとは、戦争時の人間の残虐さと、ガラティンの傷の痛みかもしれないなと。

いつものマキャモンとは違うという感覚がずっとあったが、全体としてみれば、すごく面白い話だったし、やっぱりマキャモンはページターナーである。

(2005年3月31日)
スポンサーサイト

category: ロバート・マキャモン

trackback(0) | comment(0) | 記事編集

go page top

« MINE (1990) 『マイン』  | h o m e |  STINGER (1988) 『スティンガー』 »

コメント

go page top

コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する

go page top

トラックバック

トラックバックURL
→http://allman.blog39.fc2.com/tb.php/1712-c49e5454
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

go page top


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。