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MYSTERY WALK (1983) 『ミステリー・ウォーク』 


2013.06.20
Thu
05:23

『Mystery Walk』/Robert R. McCammon (著)
マスマーケット: 432 p ; 出版社: Pocket Books ; ISBN: 067176991X ; Reprint 版 (1992/10/01)

『ミステリー・ウォーク〈上〉』 創元推理文庫/ロバート・R. マキャモン (著), Robert R. McCammon (原著), 山田 和子 (翻訳)
文庫: 388 p ; サイズ(cm): 15 x 11
出版社: 東京創元社 ; ISBN: 4488558011 ; 上 巻 (2003/10)

『ミステリー・ウォーク〈下〉』 創元推理文庫/ロバート・R. マキャモン (著), Robert R. McCammon (原著), 山田 和子 (翻訳)
文庫: 375 p ; サイズ(cm): 15 x 11
出版社: 東京創元社 ; ISBN: 448855802X ; 下 巻 (2003/10)


わが国では噂のみ高かったマキャモンの長篇初紹介となった第五作。《キング、クーンツ、マキャモン》と並び称された前評判と、すでに翻訳されていた短篇の印象から、ド派手な娯楽ホラーを期待していた日本の読者には、少なからず意外な印象を与えた静謐な作品でもある。

人間の死を予見し、さまよう魂を救済する能力を母方のネイティヴ・アメリカンの血からひき継いだ少年ビリーは、その能力ゆえに周囲の人間に疎まれ、試練に満ちた道行きを運命づけられることになる。一方、狂信的な説教師を父に持ち、ひとを「癒す」能力を持つ少年ウェイン。いっとき出会ったふたりは、やがて宿命的な対決へ至るべく旅をつづけてゆく・・・。

超能力を持ってしまった者の苦難を描いたという点で、その穏やかな筆致も含め、キングの『デッド・ゾーン』を連想させる作品だが、印象派まるで異なり、マキャモンらしいアメリカの辺境と叙情が全体を支配している。説教師の言動のうちに透ける偽善めいた悪意に対する視線は、アメリカ南部のモチーフにこだわるマキャモンらしい。クライマックスの色彩感と躍動感も印象的だ。のちの作品で開花する要素も随所に見られ、ロード・ノヴェルの体裁、そこに横溢する静謐な詩情という点で、『遙か南へ』へのステップとみることもできるだろう。

(ロバート・R・マキャモン作品案内/文藝春秋・編集部)

●MY OWN REVIEW

やっとマキャモンが読める!と喜び、とりあえず手元にある本の出版順にと思い、『ミステリー・ウォーク』から読み始めたが、すぐに引き込まれて、本を閉じるのが辛い。それに、この文庫版は復刊されたのだろうか、2003年の出版になっているのだが、あとがきには青山先生の解説が載っている。それを読んだら、まるで授業を受けているような感覚に陥った。

アメリカ南部についての言及や、はっきりと何年とは書いていないけれども、文中に出てくる音楽や出来事で、時代が明確に記されているなどというのは、何度か聞いたことがあるなと、懐かしく思い出した。

『ミステリー・ウォーク』は、これまでに読んだマキャモン作品よりも、より南部色が濃く、いかにも南部の話といった出来事がたくさん出てくる。早稲田で開催される「アメリカ南部映画祭」に合わせて読むには、ちょうどいいかも。

この作品は、死者の霊と向かい合ったり、「シェイプ・チェンジャー」と呼ばれる邪悪な存在と対決したりと、結構不気味な世界で、怖がりの私としては、正直言って怖かったのだけれど、マキャモン作品の常で、主人公の精神的な強さ、善なる魂に救われた。得体の知れない「邪悪な存在」が現れるというのは、前に読んだ『スワン・ソング』を思い起こさせた。

『スワン・ソング』と大きく違うところは、光と闇の世界を、双子の兄弟で分け合ってあるところ。主人公ビリーは死の世界に通じ、兄のウェインは生の世界を操ることができる。だが、ウェインはその使い方を間違っていた。兄弟であるとも知らずに対決に向かう二人だが、ビリーのほうが先にそれを知り、最後に和解し、ウェインが自らを犠牲にして、ビリーを助けるところは感動。

マキャモンは、いつも善と悪を描いているが、どれだけ残虐で悲惨な場面が描かれていようとも、必ず善が報われているのが救い。本当に彼はいい人なのだと、読むたびに毎回思う。自分がこの社会の中で、悪意の塊と戦わなければならないようなとき、マキャモンの作品は、心の拠り所となる。この社会には、悪意の塊や邪悪なものがたくさんある。そういうものに負けないためにも、マキャモンの本が読みたい。マキャモンにもっと本を書いてもらいたい。

マキャモン作品の翻訳はみな良いので、できれば翻訳で読みたいのだが、絶版や在庫切れが多くて、これまでになんとか集めた本以外は、原書で読まなくてはならないというのが残念。

(2004年05月22日)
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category: ロバート・マキャモン

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