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THEY THIRST (1981) 『奴らは渇いている』 


2013.06.20
Thu
05:21

『They Thirst』/Robert R. McCammon (著)
ペーパーバック: 出版社: Pocket Books ; ISBN: 0671707175 ; (1989/12/01)
※画像は Time Warner Paperbacks 版

『奴らは渇いている〈上〉』 扶桑社ミステリー/田中 一江 (翻訳)
文庫: 491 p ; サイズ(cm): 15 x 11
出版社: 扶桑社 ; ISBN: 459400735X ; 上 巻 (1991/05)

『奴らは渇いている〈下〉』 扶桑社ミステリー/田中 一江 (翻訳)
文庫: 454 p ; サイズ(cm): 15 x 11
出版社: 扶桑社 ; ISBN: 4594007368 ; 下 巻 (1991/05)


やがてスティーヴン・キング、ディーン・クーンツにつづく《モダン・ホラー界、第三の男》と呼ばれるようになるマキャモンが、アメリカで一気にホラー・シーンの前面に躍り出るきっかけとなった第四長篇。ジャンルミックス型モダン・ホラーの代表的作品と言えるだろう。

ロサンジェルスに、奇怪な啓示を受けた犯罪者たちが集まり始めた。一方で多発する怪事に、幼い頃に故郷で体験した吸血鬼騒ぎとの符号を感じ取ったポーランド系の刑事パラタジンは、すでにロサンジェルスに魔手をはりめぐらしていた吸血鬼プリンス・ヴァルカンの軍勢と相対することになる。

マキャモンは先行作品へのオマージュを物語の枠とすることが多いが、本書はキングの長篇『呪われた町』との相似を指摘されている。しかし、その相似は、現代アメリカの共同体を吸血鬼が支配しようとする部分のみ(『呪われた町』では北部の小さな町《セーラムズ・ロット》が襲われる)で、物語それ自体はマキャモン一流のブロックバスター・エンタテインメントだ。とりわけ吸血鬼ヴァルカンの造型は、カリスマ的なロック・スターを思わせ、ロサンジェルスという街の性格とあいまって、この作品の現代的な疾走感を象徴している。

ラストで勃発する巨大スケールの破滅のヴィジョンは、キングでもクーンツでもない「新たなマキャモン」の幕開けを告げるにじゅうぶんな、大スベクタクルを現出させている。

(ロバート・R・マキャモン作品案内/文藝春秋・編集部)

MY OWN REVIEW

すごく面白くて、下巻は1日で一気読み。他の用事など一切おかまいなしで読んだというのは、珍しい。結構スプラッターだけれど、そこはマキャモン、ホラーだけど、ヒーローものでもあって、最後はやっぱり善が勝つ。ほかの作家のホラーでも、ヒーロー的な人物は出てくるが、マキャモンの描くヒーローは、とにかく私好みなのだろう。今回のヒーロー、パラタジン警部の「絶対に守る!」という責任感は、私好みだ。

もう一人、ヴァンパイアの王ヴァルカンをやっつける重要な役がシルヴェーラ神父で、この人の自己犠牲、人類を守るのだ!という意志の強さにも脱帽。神父は不治の病ルー・ゲーリック病にかかっており、その命を人のために役立てたい、どうせ死ぬ運命なら自分が犠牲になろうというのは、『遙か南へ』 の主人公が癌で余命いくばくもないという設定を思い出した。

また、ヴァンパイアが根城にしているクロンスティーン城とは、ホラー俳優オーロン・クロンスティーンの持ち物だったという設定だが、このクロンスティーン、どこかで見た覚えがあると思ったら、短編集 『ブルー・ワールド』 に収められた「メーキャップ」に出てきた名前だった。実在の俳優かどうか確認していないが、実在だとすれば、マキャモンのお気に入りなのだろうか。

この話の中には、ジャック・ザ・リッパー(シュワちゃんの映画 「ラスト・アクション・ヒーロー」 にも登場した殺人鬼)や、ヴァン・ヘルシングの名前も出てくる。面白いのは、マキャモンが自分の作品 『Bethany's Sin』 を自らこきおろしていること。マキャモン自身、不本意な作品ということで、すでに原書でも絶版なのだが、この部分は笑えた。

・・・『ビサニィズ・シン』とかいう題名のつまらない本を読んで過ごしたのだ。あまりの退屈さに、第四章まで読んだところで放り出してしまうような本だった。・・・

最後に、舞台であるロサンジェルスが大地震に見舞われ、ヴァンパイアのほとんどが(多くの人がヴァンパイアにされていたのだが)死滅する。不死のはずのヴァンパイアがなぜ?と思うが、実はヴァンパイアは、日光と同じように、海水(聖水と同じ働きがあるが、聖水よりも神のパワーが強いらしい)に弱かったのだ!海水を浴びると、煙を上げて消えてしまうのだ。つまり、大地震に伴う大津波が彼らを消したわけだが、まさかこんな大スペクタクルな話になるとは思ってもいなかった。

しかしここで思ったのは、こういった災害時のアメリカ軍の行動の早さだ(ロサンジェルス以外は、まだヴァンパイアには襲われていなかった)。生き残った人たちを軍の基地に避難させ(基地なら水も食料も薬もすぐにあるわけだ)、24時間以内に、すでに100個の仮設住宅を建てたりしている。たしかにこれは小説だし、土地の事情とかもいろいろあるだろうが、こういうのを読むと、新潟の地震があった時期だけに、この寒空に放り出したままの日本政府の対応が信じられない思いだった。

この結末は、ヴァンパイアが全て消えたという結末ではないので、まだこの世の中に、彼らは存在しているということになっている。『奴らは渇いている2』が書かれてもおかしくない結末だ。途中でなんだか怖くなって、十字架のペンダントを探し出し、それを身につけて本を読んでいた。映画の 「ヴァン・ヘルシング」 なんかよりずっと怖かったし、パラタジンやシルヴェール神父といったヴァンパイア・ハンターは、それよりずっとカッコ良かった。怖かったけれど、すごく面白かった!

(2004年10月29日)
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category: ロバート・マキャモン

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