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ぼくたちの終わらない夏/クリストファー・ライス 


2002.01.24
Thu
17:42

ぼくたちの終わらない夏 (BOOK PLUS)ぼくたちの終わらない夏 (BOOK PLUS)
(2001/09)
クリストファー ライス

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1)冒頭の書き出しはなかなかいい。ジャンルはヤングアダルトだと思っていたけれど、これってミステリー?と思わせるような、ちょっとゾクゾクした感じ。と思いきや、えっ!ホモ小説?な、なんですって!?とびっくり。

男の子3人、女の子1人の幼馴染が成長していく過程で、さまざまな事件が起こる。その根底に流れているものはやっぱり同性愛というテーマなのだろうか?かといって、そのことが特にクローズアップされているわけでもない。1つの事件に対して4人それぞれの、そのときの状況が克明に描かれている。また、彼らの家族や周囲の人たちについても。場面がころころと変わり、現在と過去を行ったり来たりする小説はよくあるが、これは年代を追って順に書いてあるので、登場人物の多さに比べて混乱は少ない。


2)後半に入り、いよいよ物語も核心にふれてきた。やはりメインのテーマは同性愛というか、ホモ?赤裸々な描写もあるのだけれど、それがあまりえげつなくならないのは、割と淡々とした語り口で、事件を克明に描写することを心がけているせいだろうか?

あまり作者の感情というものは見受けられないが、登場人物ひとりひとりの苦しみや悲しみが、よく表現されている。たたみかけるように語られる物語は、次から次へとページをめくらせる力がある。

しかし、男の子たちの苦悩と共にあるのが母親たちの苦悩だ。ホモという状況を描くのも結構難しいだろうと思ったが、クリストファー・ライスはアン・ライスの息子で、クリストファーにも母親の影響は大きいのだろう。アン・ライスのデビュー作も、バンパイアものだけれど、たしか同性愛を描いていたのではなかったっけ?アン・ライスの息子であるということで、その資質を受け継いでいるとも思えるし、小説を書く環境に恵まれているとも思える。


3)本の好みは人それぞれなので、普段はめったに「おすすめの本」というのは口にしないのだけど、この本はぜひ読んでみて欲しい本だと思った。

ホモやゲイといったテーマなのだが(同性愛についてはここではノーコメントにしておくが)、とにかくよく書かれている。23歳のデビュー作とは思えない、見事なストーリー・テリングだと思う。一度も退屈な部分がなかったのは賞賛に値する。母親譲りの神秘的なイメージと、ミステリーの謎解きとを合わせ持ったこの物語は、淡々と描かれていながらも、作者自身の心の苦悩をあらわしたハイスクール時代の描写がきめ細かく生き生きとしていて、涙さえ誘う。

しかしポイントは、大人になるにつれて周囲がみな屈折していくのに、おそらく著者の分身であろうと思われる主人公だけは現実をしっかり受け止めながらも、何も変わらないことだ。それが今時のポストモダン的な小説とは大きく異なる部分。だいたいは主人公が暴力やドラッグなどに染まり、わざと行儀の悪い生き方をしているような話の多い、ポストモダン小説嫌いの私にとっては驚きでもあり、新鮮でもあり、23歳の今時の若者がこのような小説を書いたことを、非常に嬉しくも思った。

物語は4人の幼馴染みの人生だけでなく、彼らの周囲の人間の人生までも描き出しており、それぞれの年代の苦悩というものもわかる。若干23歳にして、鋭い洞察力だ。もしかしたら、著者自身がいじめられ、悩み、苦しんだ結果なのかもしれない。

余談だけれど、登場する男の子が例えどうしようもない不良でも憎めず、みな魅力的なのは、著者自身が同性愛者のせいなのだろうか?
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テリーと海賊/ジュリアン・F・トンプスン 


2002.01.23
Wed
17:36

テリーと海賊 (BOOK PLUS)テリーと海賊 (BOOK PLUS)
(2001/12)
ジュリアン・F. トンプスン

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1)テリー・タリーは16歳と8ケ月。大人の束縛から逃れて、いざ永遠の楽園、カリブの島を目指して家出を決行! ところが、船は嵐に遭い、海賊に捕まって南の孤島に撮れ去られる。さてさて、テリーの運命やいかに…!

ジャンルはヤングアダルト。最近ヤングアダルトものの翻訳と言えば、なぜか金原瑞人氏が起用される。たしかにフランチェスカ・リア・ブロックの『ウィーツィー・バット』はよかったが、それを「なかなかいいじゃん!」と学生に褒められてからというもの、全て同じような訳になってしまっていて、この『テリーと海賊』もその例にもれない。

そういう懸念を持って読み始めたので、ああ、やっぱり!と思った時には、がっかりを通り越して、怒りさえ覚えてしまった。少なくともプロの翻訳家なんだから、ひとつ上手くいったからって、全部それと同じように訳さないでよ!ったく!楽しい物語だと思うので、原書で読める人は原書で読んだほうがずっといいだろうと思う。

2)これって、一種の「ブリジット・ジョーンズの日記」的な面白さだと思う。毎日あれして、これして・・・という記述。そこにちょっとした冒険とちょっとエッチな話が混じって、今時の若者言葉で軽く進んでいく。割と正直に赤裸々に感情を表現していて、小説というよりもやっぱり日記に近い感じ。なので、面白い。でも、原書で読めば、もっと面白いだろう。

3)翻訳がどうのこうのと言ってはいたけれど、それをあまりある面白さだった。アメリカの人気コミック『テリーと海賊』をもとに書いた小説なので、コミック的な軽妙さがあり、場面ごとに絵が思い浮かぶよう。登場するキャラクター達もそれぞれ個性的で、それぞれ魅力的。これもまた絵が思い浮かぶようだ。こと細かな描写は、やはり日記的。

これまでの海洋冒険小説と違うのは、行った先が絶望的な無人島というわけではなく、表向きは無人島だが、そこに住んでいた海賊は文明的な生活をしていて、周りにはアメリカの一般的商品があふれているということ。

それと、主人公のテリーの性格が前向きで明るく、けして世をはかなんで・・・というような考えを持たないのと、ちゃんとした常識も持ち合わせているのが救われる。例えば、人を殺してはいけないとか、むやみにエッチしたらいけないとか・・・。家出はしたけれど、大人に反抗したわけじゃない。「翼を広げよう」というあくまでも前向きな一大決心だったりするのだ。人殺しも暴力もあたりまえのように書かれている物語が氾濫している中で、健康的で明るい、ほっとする物語だった。

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アンダー・ザ・スキン/ミッシェル・フェイバー 


2002.01.22
Tue
17:30

アンダー・ザ・スキン (BOOK PLUS)アンダー・ザ・スキン (BOOK PLUS)
(2001/12)
ミッシェル フェイバー

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1)読み始めはうげげ!と思ったこの小説、だんだんはまってきた。それというのも、主人公のイサーリーという女性は何物なのか?という好奇心がわいてきたから。動物と人間の立場が逆転したら・・・というこの話、イサーリーたちは自分たちを正常な人間と思い、我々人間を動物だと見なしているのだ。

ここで疑問なのは、「人間」という言葉はどんな生物に対して使われるものなのだろうかということ。我々人類は自分たちを「人間」だと思うが、我々が動物だと思うであろうイサーリーたちは、自分たちこそ「人間」だと思っている。ここには翻訳上の問題もあるのかもしれないが、原文ではどうなっているのだろう?

そして、動物を人間に変身させるほどの外科手術のできる高度な文明を持つ、イサーリーたちは何物?どうやら人間(ヴォドセル)を捕まえ、太らせて食料にしているらしいのだ。生々しい記述もあって、たしかにうげげ!なのだが、彼女たちが何物かを知りたいという欲求が、先へと進ませる。ジャンルとしてはSFっぽい。

2)結局、主人公は何者なのか最後までわからなかった。文章のあちこちからなんとなく想像するところでは、犬のような生物で、地球の地下からやって来ているのではないかということ。なので、地下にはない地上の自然を非常に美しいと思っている。

それにしても、例えば元の姿が犬だとして、それを二足歩行にし、顔も体も人間に近い状態に整形するというのは、考えるだけでも大変。なぜそこまでして人間の肉が食べたいのか?少なくとも主食ではないようで、明らかに贅沢品のようだ。それに、動物が人間を襲う事件もないわけではないのだから、動物の姿のままでも十分狩はできるだろう・・・なんて思ってしまうと、この話は成り立たないのか。

奇妙な小説で興味はそそられたけれど、やっぱり気持ち悪いし、最後まで正体が明かされないのは欲求不満になる。話の起承転結の起と承で終わってしまったという感じ。

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ブラックベリー・ワイン/ジョアン・ハリス 


2001.12.24
Mon
05:35

ブラックベリー・ワイン (BOOK PLUS)ブラックベリー・ワイン (BOOK PLUS)
(2001/12)
ジョアン ハリス

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1) 只今読書中だけど、読み始めるとすぐに眠くなる。ところどころの言葉の使い方など、はっとする部分はあるものの、物語の進め方として、過去と現在が入り混じるのが、どうもうっとうしい。その必要があるかどうかが疑問。雰囲気としては悪くないと思うので、今のところ何とも言えない。植物の名前がやたらと出てくるので、原書で読むのは面倒かも。

2) あと5分の1ほど。
徐々に引き込まれてきました。だらだらした感じは受けていないものの、なぜかすぐに眠くなる。結局は、恋の行方はどうなるの?といったところでしょうか?どんな終わり方になるのかが、楽しみになってきた。「ショコラ」のジョゼフィーヌ、やっぱり出てきたかって感じで、実はうれしい。

3) 最初の印象とうって変わり、読後感はさわやか。というか、ほんわかとした気分。ワインを飲んで温まったような感じ。けして心温まる話というわけではないけれど、なんとなく。。。日常における魔法というのが、アリス・ホフマンっぽい。原書で読むと、冒頭部分で投げ出しそうではある。

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迷い猫/ヴィッキー・アラン 


2001.12.21
Fri
17:57

迷い猫 (BOOK PLUS)迷い猫 (BOOK PLUS)
(2001/11/30)
ヴィッキー アラン

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タイトルとか装丁とかから、猫の可愛い話かと想像していたら、全く違う、おぞましい話だった。むしろホラー小説と言ってもいいかも。

だんだん狂っていく主人公なのだが、それが猫のせいなのか?はたまた双子の妹のせいなのか?失恋したためにしては、どうも状況がそれほど深刻には思えず、双子の妹というのも、いまひとつわけがわからないといったところ。とにかく、悪臭と奇行に吐き気をもよおすような話だった。

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耳に残るは君の歌声/サリー・ポッター 


2001.12.20
Thu
17:52

耳に残るは君の歌声 (BOOK PLUS)耳に残るは君の歌声 (BOOK PLUS)
(2001/12)
サリー ポッター

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映画の脚本から小説に起こした本で、散文的なのが気になった。悲恋の話かと思いきや、娘と父親の愛情の話。戦争の影が色濃い、暗い話である。しかし、その中で強く生き抜いていく主人公が、たぶんいいのだろう。やはり映画向けの感じがした。

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こわれた心を癒す物語/ジャコモ・バッティアート 


2001.11.20
Tue
04:59

こわれた心を癒す物語 (BOOK PLUS)こわれた心を癒す物語 (BOOK PLUS)
(2001/09)
ジャコモ バッティアート

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これは読んだ人の心が癒されるのかと、勘違いする人も少なくはないのではないかと思うタイトルだ。事実、私も癒し系の物語かと思っていた。しかし、実際はこのまんまの意味なのだ。

ふとした両親の不注意な言葉から、心が壊れてしまった少女。精神病院で隔離され、ひどい状態に置かれてたいたこの少女を、ある若い医師が救い出し、外の世界へと連れ出す。彼は自分の婚約者さえも捨てて、少女の心の闇を開こうとする。そして最後には、その少女は医師の妻となるのだ。

どうも納得できない物語だった。

何か強く惹かれるものがあったからこそ、糞尿にまみれ、吐き気を催すようなひどい悪臭の中で、ひとり隔離されている少女に、興味を持ったのだろうが、果たしてこの少女を救ってやりたいという、純粋な思いだけなのだろうか?少女の狂気に、この医師も同化してしまったのでは?と思うのは、考えすぎか?しかしそれくらい、私には気持ちの悪い話だった。少女の心を癒してやりたいと思うのは立派だが、婚約者の心は踏みにじってもいいのだろうか?やはり納得できない。

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ミッドナイト・オールディ/ハニフ・クレイシ 


2001.11.19
Mon
04:53

ミッドナイト・オールデイ (BOOK PLUS)ミッドナイト・オールデイ (BOOK PLUS)
(2001/11)
ハニフ クレイシ

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個人的にハニフ・クレイシは大嫌いな作家。しかしブックプラスに入っている以上、ブックプラスシリーズは全部読むと公言した手前、とにもかくにも読まなければ!というわけで、嫌々ながらも早く片付けたくて一気読み。

以前にも『僕は静かに揺れ動く』を読んで、いやーーーーーな気分になったが、これもまた同じ。男は本当は弱いもので、それをみんな隠しているのだが、クレイシが彼らの代弁をしてくれているとする人もいるが、そういうことと、次から次へと不倫願望を述べ立てるのでは、ちょっと違うだろう。クレイシは人間としての責任感も何もない、ただの好色なおやじだ。

クレイシは、と作家をそうだと決め付けるのは間違いかもしれないが、クレイシほど作家と小説の内容を同一視してしまう作家はいない。これは絶対自分のことを書いていると思うから。なぜなら想像力のかけらもないから、相手の女性の気持ちを考えることもできず、自分のわがまま勝手なことばかり言えるのだ。

とにかく今後ブックプラスのラインナップに入らないことを祈るばかり。もっとも、ここまで嫌だと思わせるというのも、個性があっていいと言えなくはない。100歩譲って、そういうことにしておこう。

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恋する遺伝子/ローラ・ジッグマン 


2001.11.18
Sun
04:45

恋する遺伝子 (Book plus)恋する遺伝子 (Book plus)
(2001/09/25)
ローラ ジッグマン

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映画にもなっている本。 各章の頭に引用文が載っていて、それにいちいち引っかかってしまう。(^^;

●生来、男は変化を愛する。美しいものに惹かれ、真新しいものに惹かれる。これについて、ヨーガ・ヴァニシータは哲学的な返事をしている。「欲しいものを手に入れた瞬間から、それはもう欲しいものではなくなる。なにかを手に入れたいという欲望は、それが手に入った瞬間、霧散してしまうのだ」─『カーマ・スートラ』

:生来美しいものに惹かれるって、美しくない人はどうしたらいいの?ここでひとつ救われるのは、人の美的感覚は、多種多様だってこと。なにも心配することはない。

●ショウジョウバエは、オスが一連の儀式を最後まで行い、メスがオスを受け入れる状態にならないかぎり、交尾は行わない。─『サイエンティフィック・アメリカン』

:てことは、ショウジョウバエの世界では、強姦とかレイプって事件はないわけだ。すると、意識的には人間のほうが虫より劣ってるってわけ?

●ふたりの人間がたがいに魅力を感じて惹かれ合うと、神経細胞間の情報伝達の流れを加速する分子、PHA(フェニルエチルアミン)が噴出して体が震え出す。アンフェタミン(中枢神経への刺激剤)に似た化学物質、PEAの刺激によって脳は極度の興奮状態におちいるので、恋人たちは幸福感に酔いしれ、若返ったような気がして、楽天的になり、元気がみなぎって、一晩中語り明かしたり、何時間も続けてセックスしたりする。─ダイアン・アッカーマン『「愛」の博物誌』

:我々が心や頭でしていると思っていた恋愛は、神経細胞間の情報伝達の流れを加速する分子による化学反応だったのか!てことは、何時間も続けられない人は化学物質が足りないのだろうか?

●オスは活発な求愛行動を見せるが、実際は一種の恐怖状態にある。それどころか、まだ恐怖心が意気込みに勝っている初期の段階では不安でたまらず、メスがちょっとでもオスに働きかけただけで、逃げ出してしまう。─M・J・ウォルターズ『ザ・ダンス・オブ・ライフ』

:行け行けドンドンじゃダメってことですよ。小泉軍曹!

●メスは自分にとってもっとも魅力的なオスではなく、もっとも嫌悪感をおぼえにくいオスを選ぶ。─チャールズ・ダーウィン『ヒトの遺伝と性に関する選択』

:好みと現実は違うって、こういうところから来てるんだ! ヒトの遺伝子がそういうことになってるわけね。なるほど。なぜか妙に納得。

●ドクター・パトリシア・プライナーの最近の研究によると、体重の重い軽いにかかわらず、より少ない量を食べる女性のほうが、男性からも女性からも女性らしいとみなされることがわかった。男性の男性らしさの印象は、食べる量には影響されない。─『ニューヨーク・タイムズ』

:ぢ、ぢゃあ、ちょっとずつ何回も食べるっていうのはどうなんだろう?<苦しまぎれ。

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クラップ/J.W.ディアズ 


2001.09.07
Fri
06:49

情熱の国キューバ。だが国の情勢は私たちが思い描く強烈な太陽の明るいイメージではなく、あくまでも暗い。食べ物でも薬でも全てが不足しているし、街には娼婦、役人はワイロ、と観光客がサルサのリズムに浮かれている裏で情勢はどんどん悪化していく。

そんな中、ポン引きで星占い師の主人公リカルド・ファーは、流行の兆しを見せ始めた新種の淋病「クラップ」にかかってしまう。なんとか薬を手に入れようとして、ファーは政治的な陰謀に巻き込まれ刑務所に送られる。栄養失調で生死の境をさまようファーだが、得意の星占いでなんとか危機を乗り越え、アメリカのジャーナリストによって刑務所から救い出される。

この本を手に取った時、「キューバ」という響きにやはりサルサのリズムと焼けつくような明るい太陽を思い浮かべたのだが、暗い闇を抜きにしてはこの国の物語はあり得ないようだ。彼らにとってアメリカは天国のようなところ。アメリカのような資本主義の大国は貧しい国からすれば憧れであり、また憎悪の対象でもある。

いい加減でお気楽そうなファーにしても、明日の運命さえわからない悲壮なイメージがつきまとう。しかしこんな暮らしの中でもファーに信念を貫く強さがあったことに救われる。刑務所から救い出され、アメリカに向かう飛行機の中で友人たちから柔らかな革の靴をプレゼントされるファー。たった1足の靴に涙を流すファーに、キューバの国民の思いが見てとれはしないだろうか。

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